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3. 同窓会は中学校の体育館で行われ参加しているのは2年10組の生徒でほぼ全員約40人が参加していた。 体育館の真ん中にテーブルが四脚置かれ同窓会がスタートされた。 「皆さん、こんにちは…」 「お忙しいところ2年10組の同窓会にお集まり頂きありがとうございます」 「同窓会のご案内と進行致します入野と鈴木くんです…」 「あと担任でありました芦田先生をお呼びしております…」 「先生一言…」 「はい、皆さんご機嫌よう…お日柄も良くこの様な同窓会にお呼び頂きありがとうございます…」 「中学を卒業し約5年が過ぎました…」 「大学に行かれた方、お勤めされている方…人生で今が一番楽しい時期では無いかと?」 「本日の同窓会にて是非、親睦を深めて頂き、これからの人生に於いてお役に立てて欲しいと思います…」 「私も何か良いアドバイスが出来ればと考えている次第です…」 「簡単ではありますがご挨拶とします…」 「パチ…パチ…パチ…」 まばらな拍手が… そして… 「先生ありがとうございました…」 「はい、同窓会の進行はここまでとなり、あとはフリーで親睦を深めて下さい…」 「ささやかではありますが四つテーブルにお菓子と飲み物がありますのでご自由にお召し上がりください…」 「鈴木くん初めに乾杯の発声をお願いします」 「ご紹介を頂きました鈴木です」 「それでは皆さんテーブルに置かれているジュースをお注ぎ下さい…」 「おう、久保田…」 「あ、石川!ありがとう!」 飲み物であるジュースをクラスメイトであった石川が注いでくれた。 「皆さん、ジュースをお注ぎ頂きましたか?」 「それでは同窓会!楽しみましょう!」 「乾杯!」 「乾杯!」 あ、担任の芦田来てるんだ… 俺は何故か嫌な思いが蘇った。 「久保田、どうした?」 俺が浮かない顔をしていたので石川が気になり声を掛けてくれた。 石川は同じクラスで仲が良く奴も工業高校卒業し勤めていた事から連絡を取り合い、たまに酒など飲みに行く事があった。 「俺さ芦田にはいい思い出が無いのよ…」 「なんせ俺、勉強しなかったから…」 すると石川は気がついた。 「ひょっとするとアレか?」 「あれは酷いよなぁ!」 「テスト用紙の返却を採点下位から手渡すの….」 「俺も点数良く無かったけどいつも真ん中20番目ぐらいだから目立たなかったからなぁ?」 やはり、石川は俺がいつもテストを早く返却されることを知っていた。 「久保田、もう昔のことだ気にすんなって….」 「…」 俺は石川の言葉を上の空で聞いていた。 「石川ところで芦田って結婚してるのかなぁ?」 「俺も良く知らないけど、噂では独身であると…」 「オールドミスで結婚をしない?出来ないのかは分からないが…かなりヒステリックで自己中なんだって…?」 「ふ〜ん」 俺はその話を聞いて何故か少し嫌な思いが解消されていた。 石川は中学時代、長身イケメンであり陸上部のホープとして活躍し人気がありモテていた。 そんな事からいろいろなクラスメイトから声を掛けられ… 俺は居場所を失いテーブルを離れバスケットゴールの下でぼんやりしていた… すると…
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