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5.
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体育館中央にあるテーブルの横に担任である芦田がパイプ椅子に座っていた。
同窓会は立食であるが高齢である芦田だけがパイプ椅子に座りその周りにクラスメイトが取り巻いていたその中の一人に秋葉がいた。
俺はその光景をぼんやり見ていた。
すると秋葉が俺に気付き視線向けた。
しかし、俺は秋葉の視線を避け下を向くと秋葉が近寄ってきた。
「久保田くん、久しぶり…」
「あ、あ」
「あの時、私に告白したこと覚えてる?」
「…」
「本当、嬉しかったんだよ」
「え、?」
「でも、あの時俺が好きだって言ったら…」
「それからって言ったよね?」
「え、そうだったっけ?」
「ごめんね、私いろいろな人からコクられるから?」
「…」
すると俺と秋葉の元に鈴木がやってきた。
「なんだお前たち親密に…」
「まあ秋葉が久保田を相手にするはずないからなあ…」
鈴木は中学時代サッカー部に在籍し今回の同窓会の幹事補佐をしていた。
鈴木は不細工な顔ではあったがサッカーが上手く人付き合いが良かったが俺は奴のズケズケした性格が嫌いであった。
「秋葉、まだ久保田と話すことあるの?」
「…」
「久保田くん、またね…」
秋葉は綺麗ではあるがそれを鼻にかける女であるとクラスメイトが噂していた通りであった。
俺は秋葉を好きになったのは一目惚れで窓ぎわの席から校庭を見ている彼女が素敵で輝いて見えたからだ。
そして、好きだと告白し…
「それから?」
「その資格は?」
「どれだけ私の事を?」
など当時秋葉から言われた言葉を思い出し俺は唖然とした…
「そうか、馬鹿にされていたんだなぁ…」
ポッリ独り言を呟いた。
「もう、いいよ!」
秋葉の存在を抹消したかったのだ。
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