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9. 「直人、この髪留めどうかな?」 「良いと思うけどこっちの色の方俺は好きだよ…」 「そうかなぁ?」 「典子、自分が気に入った方にしなよ…」 「あ、直人これ買ってくれるんだよね?」 「あ、あ良いよ…」 俺は新しい会社に入り1年が過ぎた頃の事であった。 それは昼食で職場から食堂に向かう途中に典子と出逢っていた。 俺は彼女を一眼見て… 「どこの部署なのかなぁ?」 彼女は小柄で可愛らしく同僚だろうか?隣りの女性と話しながら歩いていた。 そして、俺は何故か気持ちが昂ぶっていた。 俺は同世代の友達鈴山に彼女のことを聞いてみた。 すると… 「あ、あ、彼女俺と同じ部署だよ…」 「先月中途入社で俺の部署の所属となったのよ…」 「彼女は俺らより二つ下なのよ…そこでうちわの歓迎会やるけど久保田もくる?」 「え、良いの?」 「若本に紹介も兼ねてだけど…」 「あ、あ、そうなんだ彼女、若本に紹介するんだ?」 若本と鈴山は正規入社で同期、俺は中途入社ではあるが同じ歳という事から仲間となっていた。 そして、歓迎会の日となった。 その日、何故か残業となり1時間遅れて参加した。 歓迎会に参加した時、既に皆んな酒に酔っていた? そんな中、彼女はあまり酒を飲むこと無く酔っ払いの話しを聞いていた。 「遅れました、すいません…」 「久保田おせいよ…」 「わりい、わりい….」 「久保田、まず一杯…」 「おう、ありがとう」 俺は継がれたビールを一気に飲み干した。 あ、そうだ挨拶、挨拶… 「初めまして、久保田 直人と申します…」 「所属は製造部 機械課です!宜しくお願いします」 「はい、横田 典子です宜しくお願いします」 「久保田は途中入社だけど同じ年なのよ、そんなこともあり今回誘いました…」 「典ちゃん、製造関係で分からないことあったら久保田に聞くと良いよ…」 「久保田さん、お願いします」 「私は鈴山さんと同じサービス課なんで….」 「典ちゃんはサービス課で翻訳など取り扱い説明書などに関わっている仕事なのよ!」 「英文科出てるんだよね?」 「そうですけど短大ですよ…」 「そうなんだ英文科…」 俺は独り言を呟いていた。 しかし、俺が遅れて歓迎会に参加したのが良かったのか、典子にとって好印象であったと後日聴かされ若本も典子に交際を求めたが俺を選んでくれたのだ。
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