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実光が、よぉ、と豊に肩を組む。
「豊〜。何で口数少ないんだよ。緊張してる?」
豊は、ちょっとだけ、と笑って複雑な心中を誤魔化した。実光が、よし、と声を上げた。
「円陣組もうぜ円陣!!」
実光に促されるまま、3人で円陣を組む。すると必然、葵と距離が近くなったが豊は葵に対しては軽く手を添えるだけに留めた。円陣を組んで気合いを入れた後、実光がトイレに行ったタイミングで葵から話しかけてきた。
「……豊」
何を言われるのかヒヤヒヤしていたらいきなり、ペチン、と頬を軽く叩かれた。
「ライブに集中して。ミスしたらぶっ殺す」
いつもより何倍も物騒な脅され方をして豊がぎょっとしたら葵は笑っていた。
「今からは、ただのSilverLillyのカモでいて。お願い」
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