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俺は、ゴン助が”おねがい”を喋っている動画を彼女に見せた。すると、
「聞こえる、聞こえる。”お願い”って言ってるんだよね」
「聞こえますよね。これをＳＮＳに上げたいんですけど、やり方が分からなくて。俺は雑種も凄いってことを世間に見せてあげたいんですよ」
「ああ、簡単よ教えてあげようか？私も、その意気込み応援したいし」
「えっ、もしかして矢井田さんＳＮＳに上げたことあるんですか？」
もちろん俺は知っている。頻繁にあげていることを。
「ええ、まあちょっとだけなんだけど…」
”ホントにちょっとだけですか？？”なんて無用な突込みをしたくなるが、それは話の妨げにしかならない。ここは話を先に進めるべきだ。
「いいんですか、お願いします」
「まかせといて」
と胸を張る矢井田さん。
「ねえ、他にも喋れる言葉あるの？」
「あと、幾つかは…」
「すご～い！」
ここから話が順調に盛り上がり、来週の日曜日に俺の家に来てくれることとなった。犬好きに対する犬の力の大きさを俺は改めて感じてしまった。
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