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「俺の普段喋っている言葉を聞いて、覚えてるのかなぁ、ハハハ。もしかすると、矢井田さんの名前も教えたら喋れるかも」
ゴン助のアドリブのお陰で、これ以上ない自然な展開で最終兵器の投入準備を完了。
「それは無理じゃない、いくら何でも」
彼女の反応も、俺の掌の中だ。
「試してみましょうか」
「ゴン助、や・い・た」
「ヤゥ・イ・タゥ」
「よし、そうだ。いいぞ」
とは言うが、もちろんあれだけ練習したから当然喋れるに決まっている。
「いいか、ゴン助。や・い・た・い・り・や」
「ヤ・イォ・タ・イォ・リィン・ヤゥー」
「凄い、凄い、一回で覚えた。天才、すごっ天才いよ。これSNSにあげたら絶対バズるよ」
「そうですか」
そんなことよりも矢井田さん、俺はあなたにバズりたい。
「やっぱり俺が喋る言葉を真似て覚えるみたいですね」
ちょっと、一回で覚えたのはやり過ぎ感はあるが、作戦以上の成果は十二分。後は、SNSへのあげ方の習得を出来るだけ長く引っ張って、一緒の晩御飯に持ち込むことだ…。
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