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 翌日は午前の授業をサボり、三限の授業から出席した。  大講義室の真ん中の列の右から二番目の席に座り、初老くらいの男性教授の講義を聞き流しながらインスタグラムを見ていると、DMが届いた。   【こんにちは〜】  菜乃花ちゃんからだった。 【おつかれー 昨日はありがと!】 【こちらこそ^^ 今何してるんですか?】 【授業中。まじで眠い。菜乃花ちゃんは?】 【昨日で疲れ果てて授業サボりなうです(笑) 家でゴロゴロしてる】 【あ、一緒。僕も午前はサボったw】 【仲間ですねっ!】  そうやって僕らは、日常的にSNSでのやり取りを重ね、予定を合わせて遊びに出かけるようになった。  キャンパス内で並んで歩くカップルを見るたび、気軽には会えない自分たちの現状に歯がゆさを覚える。けれど、簡単には会えないからこそ会えた時のうれしさは凄まじく、僕はこのもどかしさを含めて菜乃花ちゃんのことを愛おしく思った。  
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