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『大魔術師は庶民の味方です』本編36話の続き
馬留めに馬をつなぎフィンはミュリエルの手を引いてホテルの中に入った……
*
フィンは部屋の前で立ち止まり、ミュリエルを引き寄せ探るように口づけた。
次第に深くなり、ミュリエルは口をこじ開けられ、フィンの舌が滑り込むように差し入れられると、びくりと身を震わせた。
より一層強く抱きしめられた腕から抜け出すことができず。口の中を舐められ、舌を絡め取られ、ミュリエルは頭がふわふわと漂い、全身から力が抜けていくのを感じた。
舌を痛いほどに強く吸われ、ようやく解放された時には下腹が熱く感じて、たまらず足をもじもじと動かしてしまい、ミュリエルは恥じらった。
それに気がついたフィンは、ドアを開けてミュリエルを抱きかかえ、ベッドに横たえると、ミュリエルの首に唇を這わせた。
フィンの腕の中で歓喜に震えるミュリエルの口から、微かな吐息が漏れ、フィンの耳を刺激した。
「大丈夫、最後まではしない。少しだけミュリエルを味わいたい」フィンはミュリエルの口を塞ぎ、ミュリエルの吐息を呑み込んだ。
フィンの手がワンピースの裾から差し込まれミュリエルの足を捉えた。くすぐるように足を撫でられたミュリエルは、フィンの腕をギュッと掴んだ。
「怖がらないで、ただ触るだけだからね」
フィンはミュリエルの足を開かせ、体を間にねじ込んだ。股間は痛いほどに誇張し、今にも暴発してしまいそうだった。
フィンは体を起こしてミュリエルの足を持ち上げ、足に唇を這わせた。瞼を震わせ快感に慄いているミュリエルが可愛くて、瞼にキスを落とした。
フィンの手が足の間に割って入り、指先で中心をなぞられると、驚いて声をあげた。
「ああ……」
「可愛い声だね、我慢せずに声を出していいからね」
「フィン……」
「うん、愛しいミュリエル。愛してるよ」
ミュリエルは、下腹が熱く疼く感覚に怖くなり、フィンにしがみついた。
フィンに触られたところが痺れて、背筋を這い上がり、行き場が無くなったそれは、外に出ようとミュリエルの身体の中を蠢いている。
抑えようと思っても、フィンの指の動きに合わせて声が漏れ、恥ずかしさでどうにかなりそうだった。
フィンは指に湿りを感じて、直接味わいたいという欲望に駆られたが、ミュリエルの唇に吸いつくことで、どうにか気を紛らわせた。
フィンの口の中にミュリエルの喘ぎ声が吸い込まれていく。
ビクビクと小刻みに動いていたミュリエルの体は、快感を求めて硬直し解放された瞬間だらりと緩み、ミュリエルは満たされたように吐息を漏らした。
目に涙を溜めて恍惚とするミュリエルの髪を優しく撫でて、フィンはミュリエルの額にキスをした。
「さあ、ゆっくり眠って、朝になったら迎えに来るからね。一緒に朝食を食べよう」
フィンはミュリエルの体に布団をかけてやり、眠りに落ちていくミュリエルを見届けてから、オイルランプの火を消して部屋を出た。
自室に戻り、フィンはようやく、自分自身を解放した。
*
……翌朝早くに目を覚ましたミュリエルは、ぐっすり眠ったせいか、体が軽くなったと感じた。
『大魔術師は庶民の味方です』本編37話へ続く……
https://estar.jp/novels/26158356
『大魔術師は庶民の味方です(ラブシーン)』を読んで頂きありがとうございました。
引き続き本編をお楽しみください。
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