かませ犬のジンクス

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 僕は、すぐに身近の女性を好きになる才能に恵まれていた。  たとえば、ほんの少し優しくされただけで僕は簡単に恋に落ちていった。  そのおかげで、僕が好きになったことのある女性を数えたら、ほんと冗談抜きにきりがない。  仕掛けるタイミングが早かったのもあり、ふられるサイクルも我ながら尋常でないスピードを誇っていた。  今から思えば“機を見る“ということがまるでできていなかった。  好きになったら、相手の気持ちはさておき猛烈一直線だった。  強引な男性に心が動くことがあるとする恋愛指南書を真に受けていたのは否定しない。  僕は轟沈に、轟沈を重ねた。
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