勝手な奴ら

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「なぁ…。最近、うちのクラス、なんかおかしくないか?」 「お前もそう思う?」 「ちょっと前、俺、教壇の横にぼーっとした影がいるのを見たんだ」 「俺は、窓が勝手に閉まるのを見た!」 「実は俺も」 「俺も…」  口々に語られる教室内で遭遇した怪異。それを散々語り尽くした後、一人の生徒が言いかけた。 「これって、もしかして、この前自殺したアイツの仕業じゃ----」 * * *  俺を散々いじめ。ついには自殺に追い込んだ連中が口々に語る。この現象は、もしかして俺のせいではないかと。  ああその通り。死後、俺は幽霊になり、気づけば忌まわしいクラスにいた。  生きている時から、本当は、学校なんて場所には来たくなかった。来れば酷い目に遭うと判っていたから。  それでも休むことは許されなかった。奴らは善意を装って家にまで迎えに来て、俺を無理矢理学校に連れて来た。  その経験のせいなのか、いたくもない学校に死んでまで縛られている。  それが辛くてもがくと、あちこちに、ちょっと人が驚く程度の怪異が生じる。それに連中は過剰に反応し、言うんだ。  やめてくれ。いなくなってくれ。成仏してくれ、と。  それができるならとっくにしている。だけどかつてのお前らの行いのせいで、俺はここに囚われているんじゃないか。  いなくなれるものならなりたいと、俺が誰より思ってるよ!  俺を成仏させたいなら、ただ騒ぐだけじゃなく、心の底から反省し、悪かったと謝ってくれ。そうすれば消えることができるかもしれないかなら。  そんなことを思ったところで、こいつらがそんな真似をする筈もないだろう。  とことん勝手な奴らが、今日も些細なことでおののき喚く。それをひたすら見ているしかない俺の苦痛は微塵も知らずに。 勝手な奴ら…完
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