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ヤバいな。 食事会が始まる頃はまだ良かったが、次第に体調が悪くなっているのを感じる。 少し寒気も感じつつ何とか時間が過ぎるのを待っていたがどうも良くない。 一緒に来ていた室長に断りをいれ薬を飲むために席を離れる。 ゲホっ。 喉の痛みが鋭く響き藍は顔をしかめる。 体も熱があるのか妙に気怠い。 アルコールは瀬奈が藍の分まで一手に引き受けてくれたので最初の乾杯のみ口をつけた程度だ。 早く薬飲んで戻らないと。 藍は水をもらうため厨房に足を向ける。 だが、右手を誰かに握られ行手を阻まれる。 「美輪くん」 主催者側の役員だ。確か名前は、、、いやダメだ頭がボンヤリしていてハッキリと思い出せない。田中だか田代だか、そんな名前だった気がする。 「どうされました?」藍は相手の名前が分からないので何となく微笑んで場を誤魔化す。 「美輪君と2人で話したいとずっと思ってたんだよ。今回のコンペについて君の会社を推したいと私は思っていてね。」ニコニコと顔は笑っているが目が笑っていない。藍が苦手とするある種特有の視線が絡みつき藍は手を離そうと試みる。 だが、見た目に反して意外と力が強く逆に引き寄せられ手と腰を掴まれる。 「やめて下さいっ」 藍は精一杯の力で振り解こうとするが、体が思うように動かない。 「美輪君、君がいいと言えば私が何とでもできるんだよ。さぁ、こちらへおいで」そう言いながら藍をズルズルと引きずって行く。
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