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あれから美輪とは業務上では問題なく接している。仕事は山のようにあるし気持ちを切り替えて業務に打ち込む事で効率化も図れる。 たまに同期での飲み会やら仲間内でのバスケに参加したりと自分なりに環境を変える事で意識を別に向ける努力をした。 美輪とは適度な距離を取り、いつも一緒に行っていた昼食さえも社食や同期の奴らと連れ立って過ごした。 「最近、美輪部長と一緒じゃないね。」同期の1人である南川美織(みなみかわみのり)がランチを片手に涼と向かい合って座る。 今日の社食の日替わりは唐揚げ定食と魚介たっぷりグラタン。南川はグラタン、涼は唐揚げ定食だ。 「そうか?たまたまだろ」涼は付け合わせの赤だしの味噌汁に手をつける。 南川はズイっと体を前にして涼に近づく。 「ね、美輪さんって今彼女いるの?」無駄に胸を強調している服に目を向けつつ涼は味噌汁を(すす)る。 「ちょっとどこ見てんのよ」南川は自分の胸に手を当てる。 やっぱりな。 何も感じないわ。 涼は美胸と噂される南川の豊満な胸を近くで見ても何にも反応しない自分にため息を吐く。 「ちょっと人の胸見てため息って失礼じゃない?」南川は涼の頭をベシっと叩く。 涼は南川の手を払いのけ食事に集中する事にした。 いまだ何やら文句を言いつつグラタンを食べる南川を無視し涼は改めて自覚する。 自分は美輪さん以外には興味が湧かない。 改めてそう自覚し涼はふっと笑う。 そうか、やっぱり俺は美輪さんが好きなんだ。 そう自分の気持ちに改めて向き合い涼は何故か気持ちが前向きになる。 ただ好きでいる事は自由だから。
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