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♪ ♫ ♬
「なぁ、なぁ、坂田君。今ちょっといい?」
楽器を片付けている彼に声を掛けてみた。
「ん?いいけど、何かあった?川村さん?」
一旦、手を止めてくれた坂田君。
「ごめん。部活の事と違うねんけど、聞きたいことがあって」
「聞きたいこと?」
「うん」
「何?」
「あんな、この前山田君に会った時山田君の写真って撮った?」
「山田っちの写真?」
「うん」
「撮った撮った!」
「エッ!?ホンマに!!見たいんやけど、見せてもらってもいい?」
「ん?いいで。あっ、でも、この後、金管のリーダーに呼ばれてるし、それ終わってからでもいい?」
「いい、いい!」
「そしたら、部室で待っといてくれる?」
「分かった。待っとく!ありがとう、山田君」
「いーよー、じゃ、また後で、川村さん」
そう言って、片付けを再開させた山田君。山田君の返事にほっとして、私も放ったらかしにしていた楽器の片付けをするのに、パート部屋へ急いで戻った。
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