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♪ ♫ ♬
「川村さん!!待たせてゴメーン!!」
そう言いながらバタバタと部室に入ってきた坂田君。
「待ってへんから、謝らんといて、坂田君。私の方こそ急にお願いしたから、逆に急がせて堪忍やで…急いで来てくれてありがとう」
「川村さん、その喋り方、若くないし。フフッ…しかも、堪忍って…いつの時代の人やねん…フフッ、オカンか?オカンでも言わへんか…あっ、それより約束の山田っちの写真、写真!…それにしても、川村さん、オモロすぎやし!」
忙しく喋りながら、鞄からスマホを取り出して、ささっと触って、「はい、これ、山田っち」っと言って、ひょいっとスマホを渡してくれた。落とさないように慌てて受け取って、画面を見て、固まった。
「おーい、川村さーーん、固まってんでー。
抱き締めて暖めて融かそっか?」
そんな事を言いながら坂田君が両手を広げてみせる。
「さ、坂田君のハンドパワーで融けた…大丈夫…ありがとう」
「そうなん?残念やわ…って、どうしたん?なんか、表情暗くなってんで?大丈夫か?」
「あの、坂田君、山田君…山田君な、凄く…凄く格好よくなってはんな?中学校の時の面影がないくらい…街中ですれ違っても分からへんわ…きっと…」
「もしかして、川村さん、ショックで急に表情暗くなった?」
ずばり言い当てられて、頷く。
「アイツ…山田っち、見た目凄い変わって格好よくなってるけど、中身全然変わってへんで?」
「ほんまに?」
「うん。なんで?どうしたん?」
「えっ?なんでって?」
「うん」
「んー…」
と言いながら、坂田君に相談するか一瞬だけ悩んで、相談してみることにした。
この前山田君から久しぶりに『低音ぽっちゃりーズ』の同窓会しいひん?って、メールがあって、陸上部に入ってすっかり痩せて格好よくなってしまったけど、私は更にぽちゃぽちゃになってしまって、いざ会って横に並んだら回りの目とか、山田君の反応とか気になること。そして、私が今の姿で会うのが恥ずかしいこと。だから、同窓会に行くか…会うのをどうしようか悩んでること。
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