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どうやら夫は、特異体質だったらしい。いくら殺されても蘇るし、殺されたことも忘れてしまうようだ。
その証拠に……。
「もう許せない!」
「落ち着けよ、優子。包丁は人間に向ける道具じゃないだろ?」
「死ね!」
あれから私は何度も彼に致命傷を与えたが、いつも無事に復活。何事もなかったかのように、夫は平然としているのだから。
特に最近では、夫に何も非がない状況でも、単なる八つ当たりで殺してしまう場合があるのだが……。
それは私にとって、一番のストレス解消法なのだろう。おかげで私たちの夫婦関係は、以前よりも円満になっている。
(「私は夫を殺してしまった」完)
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