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「また、あいつか?!」
「逃げましょう!」
八天街にいた。
魑魅魍魎のろくろ首だ。
激しい強風の中だというのに、物凄く長い大蛇のような首を円を描くように、洞窟の上下左右の壁面に素早く這わせてきた。そして、俺たちを追い掛け出した。ろくろ首の体自体の走りはあまり速くはないが。それでも、俺と音星は全速力で洞窟の風の中を奥の方へと走った。
「風! 強すぎないか! 足が鈍くなってくる! このままじゃ喰われてしまうぞ!」
「平気です! あっち! もうすぐ出口ですから!」
その音星の言葉通りに、洞窟の行き止まりに差し掛かると。ちょうど、T字路になっていた。左手の道へ音星は走った。俺もそっちへと走ると、この洞窟の出入り口が見えた。でも、なんだか洞窟の出口が真っ赤になっている。
「この先は等活地獄です! 熱いですので、気を付けて下さい!」
「ああ、あの殺生をした人が堕ちる最初の地獄か! 針山とかがあるんだっけ!」
「そうです! よくご存知ですね!」
等活地獄は、針山を歩かされる刑に、真っ赤に焼けた鉄岩の上で体を切断される刑がある。そして、それらの刑は一度ではない。死んでも蘇生させられ、それが繰り返されるといわれるている。
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