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「地獄マニアだからな! 行くのは初めてだが!」
「あ、もう一つ気を付けて下さい! この先、至る所に針山があるんです! 大きい山なんですけど、うっかり気を抜くと地面にも生えている小さな針山を踏んづけてしまいます!」
「わかった!」
洞窟の出口を音星と出た。
まだ、ろくろ首の蛇のような長い首が追い掛けてきていた。
等活地獄は、地獄だけあって、ぶすぶすと煙を上げ。焼けた鉄岩が散乱していた。地獄の鬼たちが、生前は罪人だったはずの半透明の人型である魂を、鉄岩に括り付けては焼いている。その背後には、巨大な針山の山々が聳えていた。
辺りは人型の魂と熱気が充満し、まるで地獄のバーゲンセールだ。
人型の魂は背格好は皆同じだった。
恐ろしい苦しみに対しても。
苦痛に顔を歪めるものも。
悲鳴を上げるものも。
誰一人としていない。
「火端さん。あっちへ!」
「あ、おう!」
俺は音星の指差した方向へと走ろうとした。
案の定。
それは、針山に取りついた。
地獄の鬼用のトロッコだった。
「あそこに隠れましょう!」
「ま、待て! トロッコだぞ! 走り出したらどうするんだ! 下は針の山だ!」
そういえば、仏教では、殺生や盗みや邪淫、飲酒、妄言、邪見をした者が地獄へ落ちるっていわれているんだ。
俺の妹は、飲酒に盗みに殺生に……そして……死体遺棄まで?!
きっと、地獄の奥底にいるはずだ。
だけど、俺には冤罪なのはわかっているんだ!
必ず探し出してやるぞ!
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