それは理(ことわり)?

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「うぐっ……」  俺は腹が減っているのに、完全に食欲がなくなっていた。  音星は静かに目を瞑っている。  辺りは地獄の鬼(獄卒)たちの食堂だった。  血の滴る食材が粗雑な木の机の上に散乱し、至る所に骨が散らばっている。  牛、馬、鳥などに混じって、明らかに人肉だとわかるものもある。人間の腕や足が机の上に無造作に置いてあった。 「ほら、足元気をつけろよ。そこに……岩があるから」  本当は人の頭だったが、俺は嘘をついて音星をこの食堂の出入り口へと歩かせていった。  音星は目を瞑ったままニコリとこちらに笑った。  また等活地獄の針山が見えるところへ出ると、俺は今度はここで本格的に妹を探そうとした。 「ええ、そうしましょう。あ、でも。火端さん。その前にあそこでお昼にしませんか?」  音星は等活地獄の隅っこにある綺麗な岩間を指差した。   「ああ……」
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