弥生?

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 けれども、徐々に頭が冷静さを取り戻すと、あることに気がついた。   妹の弥生はもうすでに他界しているんだった!  ええと、ここは八大地獄なんだし。  蘇らせるんじゃ、変だよな?  ……。  うーん……。  そうだ!!  弥生を天国へと行かせてやるのはどうだろうか?  そのためには……。  ええと……。 「火端さん。あの、後ろの頭や髪の毛は大丈夫ですか? 酷い火傷だったですけど……」 「え? ああ……大丈夫だ」  目を瞑っていて、見るからに汗びっしょりの音星が、俺の傍へ寄ってきて心配してくれている。音星は肩に背負っている布袋から一枚のピンク色のタオルを取り出した。それを俺の後ろ頭にあてがおうとした。 「う……火端さんの頭……酷い焼けたような音がしたのは、火傷を負ったところは、ここだと思うんですが……えい!」    俺は驚いた。  あの優し過ぎる音星が、地獄の罪人たちの悲惨さに耐えられず。今まで閉じていた目をパッと開けてしまった。 「う! お、音星?!」 「大丈夫です。なるべく辺りを気にしないようにしています。さあ……このタオルで……う!」    辺りは相変わらず凄まじい悲鳴と灼熱地獄が広がっている。  音星は俺の後ろ頭をタオルで押さえると同時に、罪人の魂の凄惨な姿が目に入ったのだろう。身体がぐらりと崩れそうになった。 「もう、大丈夫だからな! さあ、目をゆっくり瞑って……」 「すみません……」  俺が身体を支えてやると、音星は再び目を瞑むってくれた。  ふぅーーー。    後ろ頭の火傷よりも、俺は音星の方が気掛かりだよ。  うん? それにしても、辺りにいる半透明な人型の多さに今になって驚いた。  ここにも、これだけの罪人がいるんだなあ。  罪人は死んでも苦しむんだ。  でも、確か地獄へ落ちた魂には唯一の救いがあるんだったな……。    それは……。  そうか、転生だ!    
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