盗み見

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ーーー中学一年生 春 「ねぇねぇ椿ー!来たよー!」 椿と約束もしていないのに椿の家に来たあんた、白湯(さゆ)。 「白湯?なんで?」 なーんていう隙にあんたは椿の家に勝手に入った。これ、不法侵入だろ。 「は!?白湯、出てけよ!勝手に入んな!」 走ってどこかに行った白湯は椿の部屋に居た。 「あ、椿。何?この手紙、莉里からの?」 しかも勝手に…椿と莉里の文通を見ていた。そこには恋バナ、面白話…色々なプライベートが詰まっていた。 「おいっ!白湯!見んな!」 と言って椿は手紙をひったくった。手紙は破れてしまった。それだけではない。 「あー!莉里って海司のこと好きなんだー!へー」 私の文通を盗み見たんだ。 「おい!白湯!何してんだよ!」 椿は怒鳴った。私の為に。椿にはとても感謝している。 「えー、いーじゃん、誰にも言わないからぁ」 嘘だな、と、椿は思ったそうだ。私もそう思う。 「…まぁ知っちゃったことはしゃあねぇが…言ったらただじゃおかねぇかんな」 椿は頑張って大きい声で言ったらしい。 「はーい」 と嘘ったらしい声で返事をした。
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