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噂
「おいおい、海司、莉里がお前のこと、好きだってよw白湯が言ってたわw」
クラスメイトのひとりが笑い混じりにからかってきた。
俺のことを…好きだって?いや、ただの噂だ。きっと。
「お前、女子嫌いだもんなぁw信じらんねぇ、きもいよなぁw」
そんな…そんなんじゃないっ!
俺は、俺は…。
このままほっといたら莉里がいじめられる。
自分のせいで。
それで、いいのか…?
ちっともよくないっ!
ーーー俺はいつも、いつも、莉里を苦しめてばっかで…。
勇気を出そう。みんなになかなか姿をみせない、恥ずかしがりの流れ星も、変われるんだ。
「きもくなんかない。俺は莉里が好きだ」
この教室にはまだ莉里は居ない。なら、来たら告白しよう。
椿…ごめんな。こういうことだったんだね。まだ確定したわけじゃないけど。
「な、なに、嘘だよな…?」
「本当だ」
嘘だなんて言うな。
「なんで…?私はそんな事の為に噂流したんじゃないっ!海司?なんで?なんで!?莉里なんかのこと!好きなの?私は?私はあいつより可愛いもん!」
…は?
と言いたかったが抑えた。
好きな人を侮辱されるドブのような気分になる。
「おいおいお前…?そんな事の為に俺らに教えたのか?それは無いだろ」
「いや、いや、違う」
「ちょっとなんの騒ぎ!?」
大好きな声が聞こえた。
「り、椿たち…」
告白、聞いてくれるだろうか?
「白湯を責め立てないで!!」
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