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「上様って?」
「え、あなた知らないで着いて来たの?あなたを連れて来た男の人、あの人が上様、将軍様」
「え、とんでもない人に出会った。恐ろしくなって来た、もう帰る」
「帰れないわよ!もうとらわれの身よ、男ってバレないようにしないとね。この子あなたにつけるから、頭いいから何かと心強いわよ、口も硬いし。おみちご挨拶しなさい」
「みちと申します。このたびお松様のお世話役を賜りました、よろしくお願い致します」
「上様がいらした時は、皆んなでお出迎えするんだけど目立たないように下向いていればいいわ、でもこれだけ綺麗だと目立つなと言う方が無理ね。お出迎え終わったら、みち、目立たないようにすぐ部屋にお連れして、だれとも話しさせないでね」
「はい!かしこまりました」
とんでもない所に連れてこられちゃったな、俺はこの先どうなっちゃうんだ、ここで女として生きていかなければならないのか、男だとばれたら殺されるって言ってたな。ああどうしよう、なんて考えていたら、上様の御成だ!
目立たないように頭を下げていたら、上様が俺の前で立ち止まった。俺は目立たないようにしてるのにこれじゃ目立っちゃうじゃないか、早くあっちに行けと仕草をしたらいなくなった。目立っちゃだめだ死にたくないからな。
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