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山村もダメだ…鈴木という圧倒的な奴を味方につけている。
俺が黙ったんで、香澄が話し出した。
「千夜くんには私からも注意しておくから。後で喫茶店で会いましょう?」
『はい、では又後ほど』
『保ー!僕、フライパンが欲しい!』
「知るか。…香澄、スピーカーはもういい」
「もう電話切れたわよ?」
香澄が携帯をしまいながら俺に言った。
「千夜くん、山村先輩の事、嫌いなの?」
「本当に嫌いだったら、最初からダチにはなってねー。それより、香澄。俺へのクリスマスプレゼントは、香澄自身が良いな」
「えっ!でも、千夜くんにはヘルメット買ってもらったのに何か悪いわ」
「何、気にすんな。鈴木と山村のプレゼント買いに行くか?」
「え、ええ。じゃあ、デパートへ行きましょ」
再び香澄に腕を組まれ、俺等はデパートへ足を向ける。
本当にフライパン買ってやるかな。
そんな事を思いながら。
香澄と先ずはラッピング売り場に来てみる。
「色々な可愛い柄の用紙もあるのね」
香澄は心底、楽しそうだ。
俺も男に合いそうな用紙を見て周る。
結果、香澄にはピンクの花柄の用紙と、鈴木と山村には、青のストライプの用紙と黄色の無地の用紙をそれぞれ買った。
香澄はまだ迷っている。
「鈴木くんも山村先輩も男の子だから、コレじゃあ、似合わないわよね?」
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