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「私も、それで良いわ。ただし、砂糖とミルク付きで」
香澄の言葉に賛同する様に、山村が片手を大きく挙げて、「僕も!」と言った。
てえか、いい加減、鈴木を解放してやれ。
「解りました。僕と千夜くんはブラックで良いですね?」
「ああ」
俺の返事を聞いた鈴木が、山村の腕の隙間から器用にボタンを押す。
「少々お待ちください!」
奥から、そんな声がしたかと思うと、ウエイトレスが伝票を手に俺等のテーブルへやって来た。
「ホットコーヒーを4つ下さい。その内、2つは砂糖とミルク付きでお願いします」
「かしこまりました。ご注文を繰り返させて頂きます。ホットコーヒーを4つ。その内のお2つを砂糖とミルク付きで。以上で宜しいですか?」
「はい」
「では、少々お待ちくださいませ」
ウエイトレスが、奥に引っ込むと。
「ホットコーヒー、four!砂糖とミルク、two!」
と言う声が聞こえてきた。
「保ー、ブラック飲めるの?苦くない?」
ようやく、鈴木から離れた山村は、俺にそんな事を言ってくる。
やれやれ。
これだから、お子ちゃまは困るぜ。
「その苦味が美味いんじゃねーか」
俺の言葉に山村は暫し黙っていたが、やがて。
「保が飲めるもの、僕も飲めるようになりたい!」
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