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俺はバケツに水を張って、その中に先ずは『塩素系』とラベルに表示された漂白剤を入れる。
次に香澄からブラウスを受け取り、水に浸してから更にシミの部分に、漂白剤を掛け、両手でつまみ洗いを始める。
その時、俺の懐から携帯の着信音が聞こえてきた。
「悪い、香澄。今、手が離せねーんだ。懐から携帯を代わりに取り出してくれ」
「ええ、解ったわ。この辺かしら…?」
香澄の可愛い顔がアップになる。
役得、役得。
と、俺は調子付いた。
「いや、もう少し上だ」
「この辺…?」
今度はブラジャーから今にも、はみ出しそうな意外と大きな胸がアップになる。
「ああ、そこだ。もう少し奥だな」
「この辺で良いの?」
香澄の胸の谷間に顔を埋める形になり、視界は真っ暗になる。
香澄の胸は柔らかくて適度に弾力があった。
だが、氷嚢まで顔に当たって、冷てー!
「あ、ああ。その辺だ。在るか?」
「えっと…ちょっと待って。もしかしたら、これかも」
香澄の胸と氷嚢が遠ざかり、着信音を鳴らした携帯を片手に持った香澄の姿が目に入った。
役得なのか拷問なのか、よくわかんねー時間、終了。
「『山村のバカ』って…千夜くん、山村先輩に対して失礼よ?」
香澄は、その山村に熱いコーヒー掛けられたってーのに、天使の様な事を言う。
俺は、つまみ洗いを続けながら言った。
「香澄、山村なら出てやる必要は、ねー」
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