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クリスマスイヴ
12月24日の聖夜の夜。
世界は、すっかりクリスマスイブだ。
今夜は当初の予定通り香澄と鈴木、ついでに山村も屋敷に呼んでクリスマスケーキ…ブッシュドノエルを食わせようと思っている。
「坊ちゃん、ケーキ作りが終わったら、リビングの部屋の飾り付けのチェックをお願いしやす」
「ああ、わーった。後は飾り付けで完成だ。ケーキを持って行ったついでに見といてやるよ」
俺は厨房を覗いた田中にそう応えるとクリスマスケーキを完成させた。
トレーにケーキを乗せて厨房を後にし、リビングに向かう。
リビングには『メリークリスマス』と英語で書かれた色とりどりの飾りが吊るされていた。
「良いんじゃねーか?」
「勿体なきお言葉。あっしはそろそろ香澄お嬢さん達を出迎えに行ってきやす」
そういや、そろそろそんな時間だ。
「わーった。だが、その前に田中。今、ひと切れだけ切っちまうから、親父の部屋までついでに持って行ってくれ」
「かしこまりやした。坊ちゃん、今日こそは頭も認めてくれると良いですね」
「ああ…そうだな。このブッシュドノエルが俺にしか作れねーケーキになっていれば親父も頷くと思うんだけどよ」
俺は慎重にケーキをひと切れ切ると、用意していた皿に移す。
フォークも添えるのも忘れねー。
田中がリビングを出て行ったところで、俺は3人へのクリスマスプレゼントをまだ自室に置いてあるのを思い出した。
ケーキをそのままにしとくのに抵抗があった俺は一旦、残りのケーキを持って厨房に戻る。
冷蔵庫にケーキを入れると、俺は自室に向かった。
自室で3人分のプレゼントを手に取る。
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