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「かしこまりました。何か御用が出来ましたら、廊下に控えてますので、お呼び下さい」
こうして、パーティーは始まった。
俺等はケーキの直ぐ傍に置いてあったクラッカーを鳴らす。
「「「メリークリスマス!」です!」
パン!と良い音と共に紙吹雪が舞った。
「あんたら、テンションたけーな。メリクリ。…田中、シャンメリーとグラス、持って来いよ」
俺が廊下に控えている田中にそう言うと、田中は「御意」と言って、台所へ向かった。
ささやかなパーティーだが、こういうのを幸せって言うのかもしれねーな。
山村が「いっただっきまーす!」と言って俺が切り分けたケーキを口へ運んだ。
香澄と鈴木も「頂きます」と言って、ケーキを食べ始めた。
俺は自分のケーキを食べる前に、香澄等に言った。
「どうだ?」
「「〜〜〜美味しい!」」
何度も練習したからか知らねーが、香澄と山村からは良い評価をもらった。
対して、鈴木は一旦、ケーキを食べるのを中断し、「うーん…」と前置きする。
「少し甘味が弱い気がしますね。甘党の方達には物足りないかもしれません」
「でも以前から比べると随分と上達しているわよ?だから自信持って!」
香澄は対面に座っている俺を励ました。
だが、鈴木の評価は的を得ている。
何故なら絶対香澄がおかわりするだろうと思って砂糖の量を少し減らしたからだ。
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