クリスマスイヴ

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香澄は「うっ!」と動きが止まった。 「…なんてな。砂糖の量が少ないから2切れ位までなら大丈夫だろ」 「やったあ!ありがとう!千夜くん!」 「そこまで喜ぶ事か?まあ、あんたの食べっぷりを見てるとケーキ職人冥利に尽きるけどよ」 俺の言葉を聞きながら香澄が2切れ目を食べている。 鈴木も、ひと切れ目を綺麗に食べ終え「ご馳走様でした」とフォークを置き、シャンメリーを飲んだ。 俺も、鈴木と同じくらいのペースで食べ終わり、シャンメリーを飲んでいる。 「そう言えば今日はケーキのお礼って訳でもないんですが、この前に皆さんで買いに行ったプレゼントを持って来ました」 鈴木がプレゼントを取り出すと、ケーキを食べるのを中断した香澄も、同じ様にラッピングされた包みを取り出した。 山村だけ何も出さないが…? 鈴木が俺の心を読んだ様に言う。 「僕と山村先輩は半額ずつ出し合ってプレゼントを用意しました」 「香澄に鈴木、後ついでに山村もサンキュー。俺からも、あんたらに、これやるよ」 「あ、ありがとう…」 「ありがとうございます」 「わーい!保からのプレゼントだあー!」 それから鈴木等は、それぞれのプレゼントをお互い贈り合った。 「諸橋さんにはブリザードフラワーを山村先輩と贈ります」 「ブリザードフラワーって何だ?」 「ひと言で言えば造花みたいなものです」 「有り難う、鈴木くん。…に、山村先輩も」 そんな香澄からは、鈴木は図書カードを。 山村はイヤフォンを貰った。 「千夜くんへのプレゼントは、この私で本当に良いの?」
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