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「当たり前だろ。俺の彼女なんだからな」
俺は熱い視線で香澄を見つめる。
香澄は俺が贈ったラッピングされたヘルメットに視線を下ろした。
「こんなに綺麗にラッピングしてくれて…丸いから大変だったんじゃない?」
「ですが、見た限り、四角形に見えますね」
「ああ。メットを箱に入れて、その上からラッピングしたんだ」
箱の上からラッピングすれば、ヘルメットを直にラッピングするよりは、包装し易い。
因みに俺は、鈴木には、青いマフラーと手袋を。
山村には、本当にフライパンを贈った。
「やったあ!フライパン!それも取っ手の取れるティ○ールだあ!」
鈴木も頭を下げる。
「千夜くん、有り難う御座います」
「保ー、プレゼント忘れたのに贈ってくれてありがとう!」
「「や、山村先輩!」」
香澄と鈴木の慌てた声に、山村もハッとなった。
だが俺は平然とシャンメリーを飲み干した。
「何だ、そんな事か。山村らしいぜ」
「うっ!」
俺の中で山村は抜けてる性格だと、もうとっくに、わかっている。
あながち鈴木がプレゼントを忘れた山村を庇う為に嘘をついたんだろ。
と、鈴木はラッピングを剥がさない俺に言った。
「千夜くん、僕…僕達からのプレゼントも開けて良いですよ」
「そうだな…じゃあ、遠慮なく」
俺はそう言うと、プレゼントの包装紙をはがして箱を開ける。
「これは…ロケットペンダントか?」
「はい、大切な人の写真を常に持ち歩く事が出来ますよ」
大切な奴の写真…か。
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