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抗争
「若頭、覚悟!」
そう叫んで鉄パイプを突き出してくる玉名組員の攻撃を咄嗟に椅子のキャスターを活かし、後ろに避ける。
そして、手にしてたカッターでもう1人の組員に切りつけるが、刃が折れ、逆に左肩を刃物で切られた。
鋭い痛みと共に血が噴き出す。
「若頭を殺せ!」
そう叫ぶ玉名組員達に、俺は刃物を持っていた方の組員の刃を握り締めると、血が流れるのも構わず、鳩尾に蹴りを入れる。
「う…小癪な…」
刃物を持った組員の力が弱まったところで、刃ごと刃物を奪い取ると、俺は鉄パイプを持った組員と対峙した。
「千夜組を壊滅しに来たのか…?」
「いかにも。しかし、若頭がまだ子供だとは…己の運命を呪って死ぬがいい!」
そう叫ぶと玉名組員は鉄パイプを又も突き出してくる。
俺は今度はタックルし、組員の足に掴み掛かると刃物を素早く持ち換え、奴のアキレス件に刃物を刺した。
「ぐわあっ?!」
倒れ込んでくる組員の首にも刃物を刺すと、奴は血を噴き出しながら動かなくなった。
が、まだまだ油断は出来ねー。
俺は刃が欠けた刃物を離すと、痛みを堪えながら鉄パイプを奪い取った。
そして、窓から更に玉名組員が入って来るのを霞んだ視界に捉え、鉄パイプで牽制しながら立ち上がり、後ろ手で部屋のドアを開けた。
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