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「で、でも、私だって千夜くんに生きてて欲しい!」
「俺を誰だと思ってるんだよ!何度も言わせるな!」
会話中も走りながら、俺は香澄を守る様にし、襲い来るヤクザを倒して行く。
おそらく、鈴木と山村も、田中に守られながら、屋敷の敷地外…安全な所まで誘導されているだろう。
と、拳銃を持ったヤクザ1人と刃物を持ったヤクザ4人が俺等の目の前に立ち塞がった。
「チッ!5対1かよ」
俺は矢面に立つと銃弾を鉃パイプで弾く様に振り回し、ヤクザと対峙する。
だが、俺と香澄は徐々に追い詰められていく。
4人のヤクザは俺1人で倒したが、拳銃を持ったヤクザは、わざと距離を置き、鉄パイプがギリギリ届かない距離を保っている。
その時、俺は、後ろに下がろうとして足を滑らせでもしたのか、香澄の悲鳴を聞いた。
「キャア?!」
「香澄?!」
俺の注意が一瞬、ヤクザではなく、香澄の方へ逸れた。
その時、「バキューン!」という銃声が響き渡った。
「ガッ…!」
撃たれた衝撃に俺の身体が倒れる。
「千夜くん?!」
ヤクザは次に香澄を撃とうとした。
が、千夜組のヤクザに背後から拳銃で撃たれ、倒れた。
香澄は、仰向けに倒れた俺の元に駆け寄り頭を起こした。
後頭部に柔らかい感触が優しく伝わっていく。
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