既成事実

5/10
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
「お腹の子は、どうかな? 友子、無理しないで休み休みでいいからね?」 いつものように友子を大事に思っている夫。 夕飯ができるまでは、先にお風呂で汗を流す夫はそのままバスルームへ向かう。 何も変わらない情景なのだが、唯一違うソレに一番に気付いた友子が、震える声でようやく叫んだ。 「あ、あなたは誰なんですか!?」 「………………何を言っているんだ、友子?」 友子の叫びに足を止めた夫は、ゆっくりと振り返った。 だけどその様子に恐怖した友子は、ビクリと震えて後ずさる。 「こ、ここはうちの家です! 早く出て行って下さい!!」 「友子? 一体どうしたんだ。ここは僕たちの家じゃないか」 「いやっ、来ないでぇ!!」
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!