既成事実

7/10

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
「…………君こそ、何を言っているんだい?」 「え…?」 両手で身体を引き離すように押され、再び友子は頭が真っ白になってしまった。 それは夫の、いや、夫と思しき男の次の言葉を聞いたからだ。 「君の旦那さんは、今仕事から帰ってきた彼じゃないか。 知らない男だなんて、失礼にも程があるよ」 「な……にを……」 「君と結婚し、君を養い、君と熱い夜を送ってきた旦那さんを間違えるなんて、よほど疲れているんだろうね」 「何を言っているの!! 私と結婚して私を養って、私を毎日愛してくれた夫は、あなたでしょう! このお腹には、あなたとの子供だって……!」
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加