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「僕はね、ずっと結婚に縁がなくてね。家族を養える経済力も包容力もあるのに、それでも恋愛もお見合いも失敗し続けていた。
だけどそんな時に見つけたのが、彼でね……」
そう言って夫を指さす男に、友子は気味が悪くて吐き気を催してきた。
聞きたくない…知りたくない…。
だけど、頭の中ではそれを理解していて、震えが止まらなかった。
「彼は依頼主の代わりに姿だけ貸してくれてね、逃れられない既成事実が確定したら契約終了になるサービスなんだよ」
「既成事実って…………」
「僕の代わりに友子の夫は演じてくれてね、夜の営みだけはもちろん僕だったよ。
そう、だからそのお腹の子は僕の子供さ」
「ぃゃ……ぃや……………
いやああぁぁあぁーーーーーっ!!!」
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