1人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
友子の目に映っているのは、その母親の隣に座るお見合い相手の男性だ。
少し茶色みがかった髪と整った甘いマスク。
座っている状態でもわかる高身長は、もう間違いなく友子の心を鷲掴みにしていた。
「よかったら、今度ご一緒にランチでも…」
「は、はいっ」
予め聞いていた彼の学歴や年収を見ても、申し分なかった。
ただ年齢の割りには若く見えるけれど、それは友子だって童顔だから気にもならない。
「よ、よろしく、お願いします……!」
そのお見合いからの結婚に迷うことなど何もなく、友子が彼と結ばれるまでに時間など殆どかからなかった。
最初のコメントを投稿しよう!