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勇者、賢者、僧侶、魔法使い。
見覚えのある勇者パーティ1行が、夫ドラゴンのジーがこのパーティに殺された巣穴の洞穴・・・ダンジョン・・・に゙やって来た。
やっぱり、私の作戦は正しかった。
こいつらをおびき寄せる為の村破壊だったのだ!!
よし、かかってこい!!夫ドラゴンを殺した復讐だ!!
私は深く息を吸い込むと、渾身の力を込めて雄叫びをあげて口から火炎放射を吐き出して勇者パーティに浴びせた。
って・・・えっ?!
無傷?!
「残念だったな、ドラゴン!!こっちはお前さんの攻撃を無効化する為に、魔法がかかってるんでね!!」
ヤラレタ!!勇者パーティの方が一枚上手だったか!?
そうだ!!魔法使いを攻撃して、そのチートな魔法を消し去ろう!!
私は腕を振りかざして、魔法使いに襲い掛かろうとした。が・・・
うっ!!腕が動かない!!
私は幾度腕に力を入れても振りかざしたまま、寸止めされた。
まさか・・・これは魔法?!いや、これは!?!!
うわーーーっ!!!!!
どしゃーーーーーん!!!!!!
僧侶の放った神通力で寸止めされた腕の反動で、私は飛ばされて洞穴の壁に激突して嫌という程身体を打ち付けた。
強い!!このパーティは強い!!私には太刀打ち出来ない・・・いや、ここで諦めたら夫ドラゴンのジーの復讐は成就しない!!
なら!!全力で勇者と戦うしかないわ!!
私は渾身の力を込めて勇者に゙向かって突進した。
グサッ!!
あれ????今・・・私・・・斬られた?!
身体に滴る青い鮮血。それは、私の鮮血。
痛い!!何で・・・?!何時私を斬ったの?!
そうなのだ。勇者は目にも止まらぬ速さで、私を何か強力で素晴らしい剣で私を征伐したのだ。この特別な剣の能力で、私を。
「なあ、おめえは何時ぞやに俺等が討伐したドラゴンの番だろ・・・?」
図星だ。既に勇者に見通されていたのだ。
「で、番を俺等に殺された復讐の為に俺等をおびき寄せる為に村を襲ったんだろ?!」
また図星だ。全くその通りだ。
「おめえが暴れて犠牲になった奴らの中で、どのくらいの夫婦や恋人が居たか解ってるのか?
結局おめえも、俺等みたいに夫婦の片割れを悪びもなく殺したんだからな!!
恥を知れ。」
ぐうの音も出なかった。
人間には人間同士、ドラゴンはドラゴン同士。其々夫婦や恋人・・・番が居るのだ。
それを私は・・・!!
勇者にいきなりわ真っ二つに斬られた私。
力尽きて、滴る鮮血の中で私は轟音を立てて倒れ込んだ。
夫ドラゴンのジー・・・もし後生で逢えるなら、この私の罪を許してくれるかな・・・?
〜哀しき夫婦ドラゴン〜
〜fin〜
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