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夫ドラゴンのジーは死んだ。
人間の勇者が率いるパーティーに討伐されしまったのだ・・・
夫ドラゴンのジーが、人間に対し何をしでかしたか?そんな事は私にも解らない。
別に、人間の集う街にやって来て人間に危害を加えるとか考えにくい。未だに私達ドラゴンは魔物扱いだ。
何で魔物なの?私達ドラゴンは?
ただ、この洞穴を寝床にして慎ましく生きてきたのに・・・
いきなりだった。
本当にいきなりだった。
勇者の1行がこの洞穴にやって来て、
「こいつを倒してレベルアップだ!!」
等と言い放って、魔道士のチートな魔法と、更に賢者のチートな防御と、また更に勇者の更にチートな強力な剣術で・・・
夫のジーは、見るも無惨に勇者達の歓喜の前に爆散して死んだ。
夫のジーは別に、どの村も吐炎で焼き払ったりしたり危害を加えた事が無いのに?
何で・・・?!
理不尽よ!!本当に理不尽よ!!
『ドラゴン』だと言うことで?!
今頃、夫のジーを倒した勇者1行は夫の身体の一部の角や牙を鱗を最寄りのギルドに手渡して、晴れてレベルアップしただろうよ。
愛する夫の命と引き換えに。
酷い!!あんまりよ!!
私は、人間に勝手にダンジョンとされてしまった住処の洞窟の中の夫のジーが勇者パーティーに殺された、その片隅で大粒の涙を流して大声で泣いた。
走馬灯のように流れてくる、私と夫のジーとの華やかな蜜月の日々・・・
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