ずっと愛してる

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「便箋と封筒を持ってくるから、少し待っていて。一緒に考えよう」  妻は「早くね」と笑顔を見せた。  僕は二階の書斎へ行くとキャビネットを開けて銀色の缶を取り出した。中にはたくさんの手紙が入っている。その中をひっかきまわして、少し色褪せた水色の封筒を手に取った。  手紙の文面は全て覚えている。  小夜子の丸い文字も。それからの僕たちのことも、全て、覚えている。  幸福だった。  階下へ降りていくと妻はいなかった。  テーブルの上には飲みかけのコーヒーが冷えていた。  僕は慌てて後を追う。  落ち着け、僕は僕に言い聞かせる。  行先はわかっている。彼女の高校時代の友人夫婦がやっている店である。
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