0人が本棚に入れています
本棚に追加
瞳
あなたの言葉は美しく、あなたの瞳は綺麗で、逢えなくてもいつも隣に居るようで。
この空間が愛おしくてたまらなかった。
一緒にソファに座りながらコーヒーを飲む。
1つの毛布を2人で使っていた。
「ありがとう」と、顔を見ながら言った私に、
「何もしていないよ、どうかしたの?」と、あなたは笑いながら言った。
「なんだか…こんなに幸せで良いのか怖くなっちゃって…」そう言って、
一瞬だけ目を合わせ、
すぐにコーヒーをひと口飲み、微笑んだ私に、
「そんなの僕も同じだよ」と言いながら、コツンと頭を左手で寄せてくれた。
私たちはお互いの頭を枕にするように寝た。
起きた時に窓から入ってくる光と美味しそうな香り、昨日より寂しい感覚と昨日とは違う温もり、いつの間にか私にかかってるもう1枚のブランケット。
…あなたはどこ?
不安になりながら、部屋中を探す様に歩いた。
ふと見るとテーブルに
ラップがかかったパンと目玉焼き。サラダ。
横には置き手紙があった。
「お仕事行ってきます。今日はいくつかお願いがあります。
・笑顔で居れる一日を過ごして下さい。
・お風呂もご飯も待っていて下さい。
・必ず起きていて下さい。
・『おかえりなさい』と言って下さい。
・帰ったら直ぐに抱きしめさせて下さい。
・冷たい手で左手に触れますが、許して下さい。
・右手は僕の左腕に組めるように慣れておいて下さい。
・お化粧や髪型は好きにして良いけど、
アクセサリーだけは何もしないで居て下さい。
最後に…寝坊助!!
これから旦那さんと呼ぶかもしれない人より、先に起きてなさい!」
そう書かれていた…。
瞳から嬉しい雫が落ちた。
居なくて不安になった私の心を直ぐに幸せのベールで温めてくれた。
人生は美しい景色で溢れている。
これから同じ景色を見ながら色をつけてゆきたい。
あなたを待つ時間が愛おしい。
最初のコメントを投稿しよう!