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「でも、僕は……」
カシアスはそこでゆっくり頷いた。
「サフィアは自分の望みを自分で叶えた。だからもう我々が干渉すべきではない」
「カシアス様!」
エレクサスが叫ぶ。
「では、この者たちをお赦しになると?」
「神は無慈悲ではないよ」
カシアスはエレクサスが握りしめている宝石に視線を移す。
「悪魔の半身は貴重な宝石だ。おまえは自らの命を削ってそれを作り出し、私たちに委ねた。その覚悟はきちんと受け止めなくてはね」
カシアスはヴァルクトにそう言うと、エレクサスから宝石を受け取った。
「サフィア、これからは自由に生きなさい」
「カシアス様……」
「神は変わらずおまえを愛しておいでだよ」
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