9人が本棚に入れています
本棚に追加
「もうそろそろかな」
頭の上で誰かが話してる。
ひとつ目でも家守りの精霊でもない。
誰かと誰か。
「この魂はとても美しくて汚れがないので、天使庁の管轄とします」
「わかりました。ではこの魂はそちらに」
僕が一生懸命頑張って目を開けると、その2人が部屋から出ていこうとする後ろ姿が見えた。
ひとりは死神だ。
以前視たことがある。
そしてもう1人は……
真っ白な羽を背中に生やした天使だ。
「そこにいるのはわかっています。悪魔ヴァルクト」
天使は僕のベッドの枕元を見つめながら厳しい声で言った。
「ここはおまえのような者がいる場所ではない。在るべき場所におかえりなさい」
それだけ言うとふたりは部屋を後にした。
最初のコメントを投稿しよう!