黒っぽい白と白っぽい黒

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「もうそろそろかな」 頭の上で誰かが話してる。 ひとつ目でも家守りの精霊でもない。 誰かと誰か。 「この魂はとても美しくて汚れがないので、天使庁の管轄とします」 「わかりました。ではこの魂はそちらに」 僕が一生懸命頑張って目を開けると、その2人が部屋から出ていこうとする後ろ姿が見えた。 ひとりは死神だ。 以前視たことがある。 そしてもう1人は…… 真っ白な羽を背中に生やした天使だ。 「そこにいるのはわかっています。悪魔ヴァルクト」 天使は僕のベッドの枕元を見つめながら厳しい声で言った。 「ここはおまえのような者がいる場所ではない。在るべき場所におかえりなさい」 それだけ言うとふたりは部屋を後にした。
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