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「先生、私は間違ってませんよ」
「それでもいいかもしれないけど、私は間違ってると思うよ」
「どこがですか」
「君は本当の痛みを知らない。君以外の誰かが好きな人の隣にいることの悔しさと辛さを。」
そんなに言うほどのことだろうか。
今の時点で、好きな人と一緒になることは諦めている。
それ以上に痛いことなんてあるのだろうか。
「もう一度言うよ。
思いはちゃんと伝えた方がいいよ。
忘れないでね。」
そう言って、先生は去っていった。
私はまだ、潮の風に当たっていたかった。
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