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「今日はどうしたの?」
「大事なことを伝えたくて」
告白かもしれない。
そんな淡い期待が胸のうちに出る。
こういうところで期待を抱く自分が嫌いだ。
もう、叶わないってわかっているのに……。
「結婚するんだ。だから、友人代表スピーチをお願いしたくて。」
わかってた。
わかってたよ。
でも、少しぐらいだけでいいから、
あなたの心に私を置いておくことはできますか?
「もちろん。結婚式はいつやるの?」
「11月かな。また、招待状は送るよ。」
今、私は笑えているだろうか。
ぎこちないだろうか。
好きだ、なんて言ってたら迷惑になることぐらいわかってるよ。
久しぶりに会えた、それだけで嬉しいのに。
なんでこんなに苦しいのだろう。
「お幸せに」
私は今、幸せなのだろうか。
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