凄腕エンジニアに憧れて

出会いと火消し

「状況を見たエンジニアの一人から、協力の申し出をもらいました。信頼性スコアも驚異の10。提示条件もかなり良心的です。この人に問題解決に参加してもらおうと思いますが、開発リーダーの意見も聞かせてください。」

オーナーから受け取った協力者のプロフィールを見ると、エンジニアとしての信頼性スコアは10点満点中の10。
アカウント名は「火消し担当」。この状況にふさわしい名前だ。

信頼性スコアとは、ネットワークサービスChain Linkageでの仕事に対する評価をスコアリングしたもの。
改ざん不可能で、スコアそのものについては疑いの余地はない。

驚いたことに、10点満点のスコアを持つアカウントが実在していた。

Chain Linkageは、今では仕事を見つける上で当たり前となったサービス。プロジェクトの内容を確認し、両者が合意すればオンライン上のスマートコントラクトによって契約が成立。支払いもサービス上で行われ、契約完了後には依頼者、プロジェクト参加者からの評価スコアが記録される。

ふつうは、いくつか案件をこなしていくとどうしても満点を維持するのは難しいはずなのだが、多くの案件をこなしているにも関わらず、このアカウントは10点満点をキープしている。

（この人であれば）

「助けが必要です！協力要請、お願いします！」

「わかりました。早速契約を行いますね。」

オーナーはスピーディにスマートコントラクトにサインし、火消し担当の協力を仰いだ。