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サービス再開から10分後、約束通り火消し担当からの着信が入る。
先ほどと同じのコウモリのアイコンが表示される。
「、、お疲れさまでした。無事にサービスが再開できたことをこちらでも確認できました。そちらで何か問題は確認されなかったでしょうか?」
「はい。お陰様で、無事にサービス再開を行うことができました。僕一人では解決できなかった思います。本当にありがとうございました!」
気のせいか、少し先ほどよりも声のトーンが低い気がする。
スマートコントラクトの内容の最後の項目を見ると「振り返り」とある。
「火消し担当さん、問題は一通り完了ですが、契約にあるクロージングとは具体的に何をされるのでしょう?」
「はい。それは、開発リーダーさんが今後同じようなプロジェクトを担当される際の注意事項を振り返りながらお伝えするステップとなります。」
なんと、問題解決だけでなく教育までしてくれるとのこと。
自分の持っている知識をわざわざ提供してなんのメリットがあるのか。疑いつつも普通なら得られない機会に高揚した。
・生成AIに頼った開発は間違いなく生産性を上げられるので、それ自体は全く問題ない。
・生成されたコードの評価基準は明確に持っておいたほうが良い。特にパフォーマンス、セキュリティなどの非機能要件がおろそかになりがち。
他にもインフラの設計における注意点やアドバイスなど短い時間の中で多くの情報を教えてもらった。
いままで他のエンジニアから教えてもらう機会などなかった。むしろ、それは自分の仕事を奪われるリスクとしてしか教えられてこなかった。
なぜここまで良くしてくれるのだろう。
考えにふけっていると、改めて火消し担当から声が掛けられる。
「オーナーさん、開発リーダーさん、今回はこのプロジェクトに参加させて頂き、ありがとうございました。」
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