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二つ年上の姉ちゃんに、寝る前に爺ちゃんの事をそれとなく確認してみる事にした。
「爺ちゃんはもう僕らのとこにはおらんねんやろか? 」
「そらおらんやろ。死んだやんか。お坊さんが懇ろに供養してくれはってんから、とっくに天国に行ってはるわ」
それはそうなのだろう。爺ちゃんにとってはその方がいいに決まっている。だけど、玄にはどうしても割り切れない所があるのだ。
「天国ってどこにあるん? 空の上にあるん? 人間は死んだら星になって見守ってくれるんと違うん? 」
「死んだ人は星みたいなんならへんよ。そんなんジョーシキやで。あんた今何年やねんな?
死んだ人がみんな星になってたら、夜に空見た時に、黒いとこなくなってまうやんか。あんたアホと違うか? 」
爺ちゃんが姉ちゃんの所にだけ現れていたらどうしようかとも思ったが、どうやらそうでもないらしいので安心した。
だが、それはそれで寂しいとも思う。如何ともしがたいモヤモヤに支配されて眠れなくて天井を眺めていると、
「ほんまに面倒臭い子おやなぁ、早よ寝やな明日学校遅れんで、ええ加減にしいや」
と言葉とは裏腹な優しい口調で諭された。
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