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私は朝食を済ませ、二人分のお弁当を準備する。
天気を確認し、日傘とレジャーシート、ひざ掛け、水筒、お弁当、数冊の文庫本を鞄に詰める。
蘇ってすぐ、もあの丘は存在しているのかと気になって、管理施設からリアルタイム航空映像で確認した。
付近に住宅が増え、丘が整備されていた。
20年前までは草原が広がり、今の季節は色とりどりの花が咲いていた。
場所の景色は変わっても、あの人への気持ちは変わらない。
どうか、どうか今回こそ逢えますように。
個人タクシーを呼び、あの丘までとお願いする。
きっと逢える、確証は無いけど今回は会える気がする。
私は高鳴る胸を躍らせながら、すっかり変わってしまった街並みを車窓から眺めていた。
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