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第2話 王子視線
俺はミーナを抱き寄せていた。
ミーナの袂からのぞいた白い肌に思わずドギマギしてしまい、俺はためらった。なりきる術を使って空を飛んだので、少し袂が乱みだれてしまっていたようだ。ミーナの唇に思わず視線が吸い込まれそうになり、俺は慌てて目をそらした。
――今日の俺はどうかしている。一気に色々なことが起こりすぎたからだろうか。
ミーナに潤んだ瞳で見つめられるとどうにかしてしまいたくなり、慌てて体を離した。
どうも調子が狂う。何か急にミーナがとてつもなく愛しい存在に感じてしまい、自分の気持ちを制御できないように思う。
いや、俺は既にミーナと一緒になりたいのだ、今、自分の気持ちに気づいた。
――結婚しよう。けれどもこれほど強い衝動を感じてしまっては、問題がある。母上はまだミーナとの婚約を認めてくれたばかりだ。
ミーナの髪から微かに汗の香りがし、それが微かに俺の鼻をくすぐり、そのまま抱きしめたままではいられなくなりそうな衝動を感じる。
――まずい。
俺はミーナの帯を解き、帯がゆかにスルスルと落ちる音を聞いた。浴衣の前を開けて、浴衣はそのままはらりと床に衣ずれの音をさせて落ちた。
――でも、よく見えない。
俺の口づけが止まらない。
そのままベッドにミーナをベッドに抱えて運ぶ。
よく見えないけど俺の手がミーナの胸にのあたりに手をかけて、そのまま唇が近づけようとした瞬間に、ガブリと首をミーナに噛まれた。
――えっ!
よく見えないのに、噛まれたのだけは分かった。
いつの間にか俺は自分の浴衣も脱ぎ捨てていてほぼ裸で、ミーナに抱きしめられて首筋に噛みつかれていた。
――嘘だ!
そこでハッと目が覚めた。
夢だった。
――怖かったなあ。
――ミーナに噛みつかれるのは本当に怖かった。
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