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しばらく行くと、遠くに茶色い犬を散歩させている人がいた。
ん?ポチ公によく似ているぞ!
足を速めて、近づいてみる。
うん、似ているけど・・・やっぱり違うかな?
でもすごく似ている。
ボクは携帯電話を取りだして、電話に向かって話しかけた。どこにも繋いではいないのだけど。
「もしもし、ボクだけどさ、そこにポチ公いる?」
「ポチ公」ってところは、やや大きな声で言った。
もしあのワン公がポチ公なら、自分の名前に反応するはずだ。
「ねえ、ポチ公、いる?ポチ公、いないの?」
ワン公は知らん顔だ。
やっぱり違ったか。でもよく似ているなあ。
「おーい、ポチ公!」もう一度呼んでみた。
ワン公は知らん顔だが、飼い主の方が振り返ってボクの方を見た。
不審者だと思われたかしら。
さすがに恥ずかしくなって、携帯電話をポケットにしまった。
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