忠犬ポチ公

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前橋と別れて、何となく・・・バスに乗って、あの公園、ポチ公と出会ったあの野山公園に行ってみた。 ぜんぜん変わってない。 ベンチに寝転がって青空を見上げた。 子どもの頃の情景が浮かんでくる。 皆で弁当を食べたんだ。でっかい握り飯。 それで・・・・・・。 可愛かったなあ・・・ポチ公。 どうしてるかなぁ・・・ポチ公。 なんで帰って来てくれないんだよ。 クーン、クーン・・・・・・。 ポチ公がボクのホホを舐めてる・・・・・・。 ボクの袖をひっぱって・・・・・・散歩に行きたいのか? ん??? 目を開けた。 あ、寝ていたらしい。 え?ポチ公? ポチ公?ポチ公か? キュイン・・・ え?夢じゃないよな? ポチ公が・・・・・・いる?ここに? ちょっと照れたような、恥ずかしそうな、嬉しそうな顔をして、僕の手をペロペロと遠慮がちに舐めている。 ボクの表情を伺うような顔。今もボクが怒っていないかと気にしているのだろうか。 「お前、ポチ公なのか!」 「ワン!」 「ポチ公!」 ガシガシと頭を撫でながら抱き寄せた。
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